日立信販

強引な取り立てで有名だった日立信販(アエル)

日立信販は昭和44年に創業した老舗の消費者金融ですが、有名な大企業である日立グループとは何の関連もないことから、当時日立信販が使用していた「ローンズ日立」は一般人に日立グループと錯覚される恐れがあるとして、不正競争防止法違反で提訴されました。

結局、裁判で敗訴するまで日立信販の名称を使い続けた図太さには驚くばかりですが、次に変更した名称のアエルでも、宮城県のAERから同様の提訴を受けてしまいます。当時すでに従業員1600人を抱える大企業であったにもかかわらず、何とも情けない醜態を晒したとしかいいようがないでしょう。

武富士の上限金利時代推移

上記の図表に示したように、1999年に日立信販は強引な取り立てをして15日間の営業停止を受けています。これは氷山の一角で、日頃から過酷な取り立て行為を繰り返していたことは、当時利用していた顧客の証言で明らかになっています。もっとも、こういった強引な取り立て行為は、何も日立信販に限ったことではなく、当時は大手でさえも強引な取り立て行為をしていたことは間違いありません。

日立信販の企業概要(平成9年3月末)

社名:日立信販株式会社
本社:〒107東京都港区赤坂1-1-2
創業:昭和44年6月
事業内容:消費者金融業
代表者:代表取締役会長 二重作 弘正
資本金:18億7,000万円(平成8年4月現在)
店舗数:255店舗
自動契約機:247台
従業員数:1,681名(男子970名・女子711名)

日立信販の看板類

イメージキャラクターに起用された河合奈保子

80年代に日立製作所の電化製品のCMに起用されていた河合奈保子をイメージキャラクターに起用するあたり、やはり日立グループとの関連性を装っていたと疑われても仕方ないでしょう。

ただ、当時の日立信販は飛ぶ鳥を落とす勢いで成長を続けており、創業者の二重作弘正氏が長者番付に登場するほどでした。

ちなみにこの時代に日立信販の宣伝ポスターなどで起用されたいたのがアメイクアーティストの金原宜保氏で、この翌年、河合奈保子と金原氏が結婚することになることからみて、もしかすると日立信販が縁で発展したのかもしれません。

日立信販のテレフォンカード

自動契約機ひたっち君の宣伝ポスター

日立信販(アエル)が倒産するまでの沿革

  • 昭和44年06月0二重作弘正氏によって東京都葛飾区に創業、当時の名称は山一物産株式会社。
  • 昭和45年01月0資本金を2,000万円に増資
  • 昭和45年03月0山一物産株式会社の資本金を3,000万円に増資。
  • 昭和47年01月0山一物産株式会社の本社を東京都足立区綾瀬に移転。
  • 昭和52年12月0山一物産株式会社の本社を同じ足立区内に移転。
  • 昭和55年04月0商号を日立グループに似せた「日立企業株式会社」に変更。
  • 昭和56年06月0本店を茨城県土浦市にオープン。
  • 昭和58年04月0商号を日立信販株式会社に変更。
  • 昭和58年05月0本社を東京都千代田区岩本町1-6-3に移転。
  • 昭和58年06月0日立信販株式会社の資本金を9,000万円に増資。
  • 昭和63年01月0東京都荒川区に本社ビルを落成、本社機能を移す。
  • 昭和63年08月0日立信販株式会社の資本金を3億円に増資。
  • 昭和63年11月0現金自動借入返済機(ATM機)導入開始。
  • 平成 2年04月0ラジオ日本で読売巨人軍のナイター中継の提供がスタート。
  • 平成 2年06月0日立信販株式会社の資本金を10億円に増資。
  • 平成 4年04月0子会社6社と合併し、資本金を10億4,560円に増資。
  • 平成 5年04月0北陸地方に進出。
  • 平成 5年12月0子会社2社と合併し、資本金を9億1,329万円に減資。
  • 平成 6年04月0四国・関西地方に進出。
  • 平成 6年09月0本社に経営企画室と内部監査室を開設。
  • 平成 6年10月0九州地方に進出、土曜日営業を開始。
  • 平成 6年11月0山陰地方へ進出。
  • 平成 7年01月0イメージキャラクターに前日立製作所のCMに出演していた河合奈保子を起用。
  • 平成 7年03月0日立信販株式会社の資本金を12億5,000万円に増資。
  • 平成 7年07月0融資残高1,000億円を達成。
  • 平成 7年09月0シンジケートローンで初の海外資金調達を実施。
  • 平成 7年10月0自動契約機「ひタッチくん」を導入開始。
  • 平成 8年03月0JR東日本の電車内の吊り広告に掲載開始。
  • 平成 8年04月0日立信販株式会社の資本金を18億7,000万円に増資。
  • 平成 8年04月0東京都港区赤坂1-1-2に総床面積1,650坪の本社ビル購入、新卒者106名入社
  • 平成 8年05月03月期決算で過去最高の経常利益120億円を達成。
  • 平成 8年07月0ホームページ開設、兵庫県神戸市に初の無人店を開設
  • 平成 8年08月0札幌市に無人契約機の管理センターを設置
  • 平成 8年09月0名古屋、沖縄に無人契約機の管理センターを設置
  • 平成 8年10月0新本社ビル(東京都港区赤坂1-1-2)へ機能移転完了。
  • 平成 8年10月0大阪、仙台、博多に無人契約機の管理センターを設置。
  • 平成 8年11月0北海道、愛知、大阪、福岡、静岡地区においてテレビCMの放映が開始。
  • 平成 9年04月0新卒2期生が207名入社式を経て正式に入社する。
  • 平成 9年05月03月期決算で過去最高を更新する192億円の経常利益を達成。
  • 平成 9年08月0業界初のABS(資産担保証券)による75億円の資金調達を実施。
  • 平成 9年09月0全国の店舗数が300店を達成。
  • 平成10年04月0新卒3期生として202名が入社。
  • 平成10年05月0ABS(資産担保証券)による119億円の資金調達を実施。
  • 平成11年09月0ABS(資産担保証券)による91億円の資金調達を実施。
  • 平成11年01月0メインバンクの破綻で信金繰りの悪化が伝えられる。
  • 平成11年10月0強引な取り立て行為をして、15日間の業務停止。
  • 平成13年03月0日立信販株式会社の資本金を22億9,700万円に増資。
  • 平成13年07月0社名をアエル株式会社に変更。
  • 平成13年09月0アエル株式会社の資本金を61億7,500万円に増資。
  • 平成15年09月0債務状況悪化により、会社更生法の適用を申請。
  • 平成15年11月0外資系投資ファンドの傘下となる。
  • 平成16年07月0グループ会社のナイスを吸収合併。
  • 平成19年08月0会社更生手続きが終了。
  • 平成19年08月0過払い金請求により台所は火の車となり、民事再生法の適用申請。店舗閉鎖。
  • 平成21年04月0民事再生計画の認可決定。

93年度長者番付

1993年といえば、まだバブルが続いていた時代で、日本は好景気にわいていました。そういった中で、日立信販の創業者である二重作弘正氏は93年度長者番付で堂々の9位にランクされています。この年度の一位は武富士創業者の武井保雄氏、3位の神内良一氏に次いで業界三位にランクされているのも驚きの事実です。

93年度長者番付

テレビCM

サラリーマン金融の時代、広告手段は街中の看板や交通機関の広告、新聞広告などが中心でしたが、テレビCMが放映されて以降爆発的に利用者が増加しました。それほどテレビCMは効果的な広告手段なのです。大手消費者金融は有名どころの俳優や歌手などをCMに起用しましたが、その中でも武富士のCMは独創的て他の業者とは一味違った雰囲気のものが多かったように思います。

2001年当時に放映されていたCM

外国のストリートをローラースケートにのった女性が走るシーンですが、あまり趣旨がよく分かりません(笑)。二本目も同様に海外ロケで女性がダンスをするシーンですが、やはり武富士のダンサーズには見劣りがしてしまいます。

2001年度消費者金融貸付残高ランキング

消費者金融の規模をはかる上で一番参考になるのが、融資残高による比較です。業者の側もそれを理解してしていることから、ライバル業者より上になるように営業戦略をかけていました。テレビCMを流し、街でポケットテッシュを配布し、雑誌や街中の看板などによって顧客獲得に励んでいました。

   名 称  本社所在地  融資残高  
1位  武富士  東京 1兆3,412億円   
2位  アコム  東京 1兆2,064億円   
3位  プロミス  東京 9,766億円   
4位  アイフル  京都 8,379億円   
5位  レイク  大阪 5,392億円   
6位  アイク  東京 4,188億円   
7位  三洋信販  福岡 2,252億円   
8位  ディックファイナンス  大阪 2,084億円   
9位  ユニマットライフ  東京 1,659億円   
10位  日立信販  東京 1,601億円